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「忘れられた日本人」宮本常一著

先日のブログ「千屋の歴史をかいま知る」を書きながら、

博労(ばくろう)さんが主人公の章もあり「千屋の牛市」の単語も出てくる、この本の事を思い出しました。

 

宮本常一(1907〜1981)さんは、日本を代表する民俗学者です。

この本は、自分自身で日本各地を歩いて日本各地の「ごく普通の人々」の話しに耳を傾け、記録したものです。山口県周防大島出身と言うこともあり、中四国を主に廻っていたので、この辺りの風習と似通っている部分が多く、堅苦しくなく気軽に読め、大変に面白かったです。

この本は、主に昭和10年代〜20年代に取材したもので、映画・ラジオこそあれ、まだテレビは無い時代。文字の読み書きもしなかった老人もまだ居た頃です。

つまり、昔、文字を習っていなかった一般庶民に取って、伝達手段は、人から人への話しだけでした。村の寄り合い(地域の取り決めをする会合)を長〜い時間…丸3日掛けて話合いがされた様子も書かれています。

その頃まで、人は、唯一の伝達手段である他人の話す言葉を、本当〜〜に真剣に聞いていたのがよく分かります。人(主に近所や家族)とのオンタイムな会話が、一番の情報手段であり、問題解決であり、娯楽でした。

 

 

 

当たり前?!

でも、それってスゴい事じゃ有りませんか?!

 

今の時代、本や新聞はもとより、テレビラジオコピーファクス一般電話携帯電話スマートフォンインターネット、、、テレビはチャンネルも増え、ビデオも簡単に撮れ、、、本もパソコンで読めるようになり、、現在に生きる私たちは、溢れる情報にアップアップする感覚も鈍り、便利に慣れてしまいました。

 

「待ち合わせに遅れたら、メール」

「聞き漏らしたテレビの情報、後でパソコンでチェック」

etcetc…

 

『今に生きる人は、一瞬一瞬を大事に生きてないよ!』

「忘れられた日本人」に出てくる昭和戦前戦後の人達(ほんの60〜70年程前)に言われそうです。